人事労務システム比較15選|種類・選び方・費用相場を担当者向けに解説

更新日 最終更新日2026/05/31

更新日 公開日 2025/08/18

人事労務システムは、多機能型・特化型・機能拡張型の3タイプに大別されます。選び方を誤ると「使いこなせない」「想定以上にコストがかかる」という失敗が起きやすいツールです。

この記事では、人事労務システムの基本的な仕組みと3つのタイプの違い、担当者が比較検討時に確認すべき選定ポイント、おすすめ15製品の特徴と費用相場、導入時の注意点をまとめて解説します。

【この記事でわかること】

  • 人事労務システムの3タイプの違いと、自社に合うタイプの見極め方
  • 担当者が見落としがちな選定ポイント7つと、よくある導入失敗パターン
  • おすすめ15製品の特徴・費用相場と、人事労務の効率化をさらに進めるツール

目次

人事労務システムとは?SaaSとの関係も解説

人事労務システムとは、従業員の情報管理や雇用契約、社会保険、給与計算、勤怠管理などの人事・労務関連業務を一元的に管理するためのITツールです。

かつてはPCにインストールして使うソフトウェア型が主流でしたが、現在ではインターネット経由で利用できる「SaaS(Software as a Service)」型を中心に普及が進んでいます。

SaaS型の人事労務システムは、クラウド上で常に最新の法改正に対応できる点や、社外からもアクセス可能であることから、中小企業を中心に導入が拡大しています。初期費用を抑えやすく、必要な機能だけを選んで段階的に導入できる柔軟性も魅力の一つです。

人事労務システムの3つのタイプ|自社に合うのはどれか

人事労務システムには、複数の業務を一括で管理できる多機能型、特定業務に特化した特化型、段階的導入に適した機能拡張型の3種類があります。自社の業務課題に応じて選ぶことが、導入効果を最大化するうえで最も重要なポイントです。

多機能型

多機能型の人事労務システムは、人事評価・勤怠管理・給与計算・社会保険手続きなど、人事労務に関する幅広い業務を一元管理できるタイプです。

情報の一元化により、業務の重複やデータの不整合を防ぎやすくなります。蓄積された従業員データをもとに組織分析や人材育成にも活用できるため、戦略的な人事管理を行いたい企業に適しています。

特化型

特化型の人事労務システムは、採用管理・人材管理・勤怠管理など、特定の業務に集中して対応するタイプです。

必要な機能だけに絞ることで、導入や操作が簡単になり、コストも抑えやすくなります。現在直面している課題が明確で、その業務だけを効率化したい企業に適しています。将来的に他の機能を追加したい場合でも、別のツールと組み合わせて柔軟に拡張できます。

機能拡張型

機能拡張型の人事労務システムは、他の業務システムと連携しやすく、段階的な導入に適している点が特徴です。

たとえば、最初は勤怠管理機能だけを導入し、後から給与計算や人材管理の機能を追加するといった運用が可能です。シリーズ連携型と呼ばれる製品では、複数の特化型システムを同一ベンダーが提供しており、スムーズな連携が実現されます。必要な機能を必要な時期に追加できるため、スモールスタートを検討している企業に有効な選択です。

おすすめの人事労務システム15選

現在提供されている人事労務システムの中から、中小企業でも導入しやすく、機能面やサポート体制に優れた15のツールを厳選して紹介します。どの製品が自社に合うかを判断するうえで、以下の早見表も参考にしてください。

タイプ 向いている企業・用途 代表的な製品
多機能型・統合型 業務全体を一元管理したい、戦略的人事を進めたい SmartHR、freee人事労務、One人事、マネーフォワード人事管理
特化型・連携型 まず一つの業務を効率化したい、段階的に拡張したい ジョブカン労務HR、ジンジャー人事労務、KING OF TIME人事労務、HRMOS
電子申請特化 社会保険・労働保険の申請業務を自動化したい オフィスステーション、社労夢Company Edition、ロウムメイト
タレントマネジメント 人材配置・評価・育成など戦略人事に力を入れたい カオナビ、タレントパレット、HRBrain

freee人事労務

freee人事労務は、クラウド型で人事労務の手続きを自動化できる中小企業向けのシステムです。

入社・退職手続きや年末調整、社会保険の電子申請など、複雑で時間のかかる業務を効率化できます。会計ソフトfreeeとの連携も可能で、経理業務との一貫管理を実現します。スマートフォンからの操作にも対応しており、現場やリモートワークでも使いやすい点が特長です。無料トライアル期間も用意されているため、導入前の操作確認もしやすくなっています。

参考:freee人事労務 | シェアNo.1の労務管理システム

SmartHR

SmartHRは、労務手続きのペーパーレス化と自動化を推進するクラウド型の人事労務システムです。

入社手続きや社会保険・雇用保険の申請、年末調整などの書類作成をオンライン上で完結でき、作業の効率化に直結します。従業員情報を一元管理できるため、情報更新の手間を削減できます。従業員自らが入力するセルフ入力機能も備えており、担当者の負担軽減に役立ちます。無料トライアルも提供されており、操作性や機能を事前に確認できます。

参考:SmartHR(スマートHR)|シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト

オフィスステーション

オフィスステーションは、社会保険・雇用保険の電子申請に特化したクラウド型人事労務システムです。

手書きや郵送による申請業務をデジタル化し、申請書類の自動作成やデータ送信をオンラインで完了させることができます。法改正への対応が迅速で、行政手続きの正確性とスピードを確保できる点が特長です。勤怠管理システムや給与計算ソフトとの連携も可能で、業務全体の効率化につながります。初期費用が不要なプランや無料トライアルも用意されています。

参考:オフィスステーション|シェアNo.1人事労務クラウドソフト

ジョブカン労務HR

ジョブカン労務HRは、入退社管理や雇用契約、社会保険手続き、マイナンバー管理などをクラウド上で一元管理できる人事労務システムです。

直感的な操作性が評価されており、初めて人事労務システムを導入する企業でもスムーズに運用を始められます。ジョブカン勤怠管理や給与計算など、同シリーズの他システムと連携することで、より広範囲な業務の自動化が可能です。無料プランやトライアルも用意されており、導入前に試せる点も安心材料です。

参考:労務管理システムで人事業務の効率化をかなえる|ジョブカン労務HR

OBC人事労務システム

OBC人事労務システムは、企業規模や業種を問わず幅広く利用されている、実績豊富なパッケージ型システムです。

給与計算・社会保険手続き・年末調整などの基本機能に加え、勤怠管理や人材育成支援など、企業の成長段階に応じた機能を段階的に追加できます。シリーズ製品である「奉行クラウド」との連携により、経理や総務といった他部門とのデータ共有もスムーズに行えます。長期運用に耐えうる安定性とサポート体制も整っており、信頼性の高い選択肢です。

参考:人事労務業務|業務から探す|クラウド人事労務システムなら【奉行クラウドのOBC】

One人事

One人事は、労務管理だけでなく、人材配置や人事評価などの戦略的な人事機能にも対応したクラウド型人事労務システムです。

人事情報を一元管理できるだけでなく、組織改編や人材育成のシミュレーションにも活用できます。視覚的にわかりやすい画面設計で、複雑な人事データを扱う担当者の業務負担を軽減します。柔軟なカスタマイズが可能で、企業ごとの制度やフローに合わせた設計がしやすく、無料トライアルで事前に体験することもできます。

参考:One人事【機能満足度No.1】は、労務管理・勤怠管理・給与計算・人事評価や人材育成のタレントマネジメントをワンストップで支援する人事労務システムです。

HRBrain 労務管理

HRBrain 労務管理は、入社・退職時の手続きや社会保険申請、年末調整といった業務をオンラインで完結できるクラウド型の人事労務システムです。

UIが洗練されており、非IT系の社員でも迷わず操作できる点が特長です。従業員が情報を直接入力する仕組みにより、担当者の作業負担が大幅に軽減されます。同社が提供する人材管理や人事評価システムとも連携可能で、企業の成長に応じて活用範囲を広げていけます。無料トライアルも提供されており、導入前の検証にも適しています。

参考:HRBrain 労務管理 | 【サポート品質 No.1】 | HRBrain

ジンジャー人事労務

ジンジャー人事労務は、雇用契約や社会保険手続き、年末調整といった労務業務をクラウド上で一括管理できる人事労務システムです。

ジンジャーシリーズの勤怠管理や給与計算、人材管理などと連携することで、人事業務全体を統合的に運用できます。法改正への迅速な対応や自動アップデート機能も備えており、常に最新の状態で業務を進められます。導入前に利用感を試せる無料トライアルも提供されています。

参考:クラウド型人事労務管理システム「ジンジャー人事労務」|jinjer株式会社

KING OF TIME 人事労務

KING OF TIME 人事労務は、勤怠管理システムで高いシェアを持つKING OF TIMEシリーズの労務管理ツールです。

入退社手続きや社会保険の電子申請、マイナンバー管理など、労務業務を効率化する機能を幅広く搭載しています。シリーズの勤怠管理システムとスムーズに連携でき、従業員情報の入力や更新の手間を大幅に削減できます。法令対応も自動で行われるため、安心して運用できる点が特長です。無料トライアル期間が設けられており、導入前に実際の使用感を確認できます。

参考:クラウド人事管理システム「KING OF TIME 人事労務」

マネーフォワード人事管理システム

マネーフォワード人事管理システムは、給与・勤怠・労務・人事情報を一元化し、業務の効率化を実現するクラウド型システムです。

社会保険の手続きや年末調整、マイナンバー管理といった複雑な業務も自動化されており、人的ミスの削減と工数削減が可能です。会計ソフトや他のマネーフォワード製品と連携することで、経理・財務部門との連携もスムーズになります。中小企業から大企業まで対応でき、無料トライアルで操作性を事前に体験できます。

参考:人事管理システム - マネーフォワード クラウド人事管理

カオナビ

カオナビは、人材情報の可視化と活用を目的としたクラウド型の人事システムで、人事評価・配置シミュレーション・スキル管理などに強みを持ちます。

顔写真付きの人材データベースをベースに、従業員の能力・経歴・適性などを直感的に把握できるため、組織づくりや人材活用に役立ちます。業務効率化よりも戦略的人事を進めたい企業に適しており、他の労務系システムと併用することで相乗効果を発揮します。無料トライアルも提供されています。

参考:カオナビ|【シェアNo.1】社員の個性・才能を発掘し、戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム

タレントパレット

タレントパレットは、人事データを活用した戦略的人材マネジメントに特化したクラウド型システムです。

人事評価・スキル管理・適性分析・離職予測などの機能を通じて、従業員のパフォーマンス最大化と人材配置の最適化を支援します。蓄積された人事データを可視化し、経営戦略に活かせる点が特長で、経営層から現場担当者まで幅広く活用されています。労務管理機能は限定的ですが、他システムとの併用により全社的な人事戦略の土台として機能します。無料トライアルも利用可能です。

参考:タレントパレット|大手No.1タレントマネジメントシステム

社労夢Company Edition

社労夢Company Editionは、社会保険・労働保険の電子申請に特化した人事労務システムで、全国の社会保険労務士事務所でも多く採用されています。

煩雑になりがちな申請業務をクラウド上で効率的に処理でき、事務ミスの防止や手続き時間の大幅な短縮が可能です。雇用契約書や帳票類の作成も自動化されており、担当者の負担軽減に役立ちます。行政への申請が多い業種や定型手続きの多い企業にとって、導入効果の大きいツールです。無料トライアルも提供されています。

参考:社労夢Company Edition|社会保険・労働保険の電子申請クラウドシステム

ロウムメイト

ロウムメイトは、中小企業向けに設計された労務管理システムで、社会保険・労働保険の申請・年末調整・就業規則の管理などに対応しています。

専門知識がなくても操作しやすい設計が特長で、初めてシステムを導入する企業でも安心して活用できます。帳票の自動作成や電子申請機能を備えており、これまで紙ベースで対応していた業務の大幅な効率化が可能です。法改正への対応も迅速で、最新の制度に基づいた処理が常に行えるよう設計されています。無料トライアルも提供されています。

参考:ロウムメイト|労務管理システム by カオナビ

HRMOS(ハーモス)シリーズ

HRMOS(ハーモス)シリーズは、採用・評価・労務管理までを一貫してサポートするクラウド型の人事労務システムです。

特に採用管理の分野に強みを持ち、応募者情報の一元管理や面接スケジュールの調整など、採用活動の効率化に役立ちます。労務機能では従業員情報・契約情報の管理・社会保険手続きにも対応しており、社内の人事業務全体をスムーズに進められます。シリーズ間での連携性も高く、企業の成長段階に応じた柔軟な運用が可能です。無料トライアルの提供もあります。

参考:HRMOS(ハーモス)シリーズ| 人事・バックオフィスを進化させる

人事労務システムの効率化をさらに進めるツール

人事労務システムとあわせて活用すると、業務の効率化にさらに貢献する支援ツールも存在します。ここでは「IZANAI」と「ActiBook」の特徴と活用シーンを紹介します。

IZANAI(イザナイ):従業員からの問い合わせ対応を自動化する

人事担当者が日々悩む課題の一つが、「また同じ質問が来た」という繰り返しの問い合わせ対応です。社内情報の検索に1日1時間以上かかると回答する従業員は多く、従業員100名の組織では欲しい情報を探すための時間が年間2万4,000時間にのぼるという調査結果もあります(出典:Helpfeel「エンタープライズサーチに関する実態調査」)。

IZANAI(イザナイ)は、PDFや社内マニュアル・WebサイトのURLを登録するだけで自社専用のAIチャットボットを構築できるツールです。社内ポータルに導入することで、入社手続きや申請方法などの問い合わせに即時対応できる体制を構築できます。人事担当者の問い合わせ対応工数を減らしつつ、従業員がいつでも自己解決できる仕組みを整えられる点が特長です。

参考:FAQを最適化するAIチャットボット|IZANAI Powered by OpenAI

ActiBook(アクティブック):就業規則・マニュアルをデジタルブック化する

ActiBook(アクティブック)は、紙の資料やマニュアルをデジタルブック化できるツールで、人事労務業務においては社内規程・就業規則・手続きマニュアルの共有に役立ちます。

スマートフォンやPCからいつでも閲覧できるため、社内文書の配布・更新が容易になり、紙による配布作業や印刷コストの削減にもつながります。閲覧状況の分析機能も備えており、従業員への周知徹底がどの程度進んでいるかを確認することも可能です。

参考:わずか3ステップ「無料」で電子ブック作成|ActiBook(アクティブック)

人事労務システムを選ぶときに確認する7つのポイント

人事労務システムを導入する際は、対応業務の範囲・料金体系・他システムとの連携性など、複数の観点から比較検討することが重要です。以下の7つのポイントを確認したうえで選定すると、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。

① システムが対応できる業務の範囲

人事労務システムによって、対応できる業務の範囲や対象となる帳票は大きく異なります。勤怠管理・給与計算・社会保険手続き・年末調整など、どの業務に対応しているかを事前に確認することが重要です。

自社が現在抱えている課題と照らし合わせ、必要な機能を備えた製品を選定することで、無駄のない導入と効果的な業務改善が実現できます。

② 料金体系

人事労務システムの料金体系は、従業員1人あたりの月額課金制が主流ですが、提供企業によって料金設定やプラン内容は異なります。基本料金に加え、オプション機能の有無やサポート内容により費用が変動するケースもあります。

導入前には、必要な機能と利用人数、予算を明確にしたうえで、複数のサービスを比較検討することが不可欠です。

③ 電子申請の可否

労働保険や社会保険の手続きをオンラインで完結できるかどうかは、重要な判断基準の一つです。電子申請に対応しているシステムであれば、申請書類の作成から提出までを一貫して自動化でき、人的ミスの防止や手続き時間の短縮が可能になります。どの手続きが電子申請可能かを詳細に確認しておきましょう。

④ 他システムとの連携のしやすさ

勤怠管理・給与計算・会計システムなど、他の業務システムとスムーズに連携できるかを確認することが重要です。連携性が高ければ二重入力や手動による情報転記を避けることができ、業務全体の効率が向上します。将来的に機能を拡張する可能性がある場合には、シリーズ連携型やAPI連携に対応している製品を選ぶと柔軟な運用が可能になります。

⑤ 従業員の情報の入力方法

従業員の情報をすべて手入力するのは時間がかかり、入力ミスのリスクも高まります。CSVインポート機能やマイナンバー情報の一括登録、入力支援機能などが備わっているかは重要な確認ポイントです。特に従業員数が多い企業では、初期登録時の負担が大きくなるため、自動化された入力支援があるかどうかで業務負荷に大きな差が出ます。

⑥ サポート等のフォロー体制

導入後の運用を安定させるために、提供企業によるサポート体制の充実度も確認する必要があります。初期設定の代行・操作マニュアルの提供・チャットや電話での問い合わせ対応など、サポート内容は製品ごとに異なります。トラブル時の対応速度や法改正への自動アップデート機能の有無も重要なポイントです。

⑦ トライアルの有無

無料トライアルが用意されているかを確認することが重要です。トライアル期間中に実際の操作感や自社の業務フローとの相性を確認できるため、導入後のミスマッチを防ぐことができます。多くのクラウド型サービスではトライアルが設けられており、担当者が操作を体験したうえで導入判断を下すことが可能です。

よくある選定ミスのパターン

「導入したが思ったより使われない」という結果になりやすい典型的な失敗パターンを押さえておきましょう。

  • 機能の多さで選んだ:現場が使いこなせない機能を多く持つシステムを選ぶと、活用率が低くなり投資対効果が出にくい
  • 初期費用だけで判断した:月額費用・サポート費・連携コストを含めたトータルコストで比較することが重要
  • 用途を決めずに導入した:「何かに使えるはず」という状態で導入すると、活用が属人化し組織全体の効率化につながらない
  • 現場へのヒアリングをせずに選んだ:IT担当者だけで選定すると、実際の操作者(人事・総務担当者)の使いやすさが考慮されず定着しないことがある

人事労務システムを導入するメリット

人事労務システムを導入することで、業務の効率化はもちろん、人的ミスの防止・法令対応の強化・人事評価の透明性向上など、さまざまな面で企業運営にプラスの効果が期待できます。

業務を効率化できる

人事労務システムを導入する最大のメリットの一つが、日々の業務を効率化できる点です。これまで紙やExcelで対応していた入社手続き・勤怠管理・年末調整などをデジタル化することで、作業時間を大幅に削減できます。

データが一元管理されることで必要な情報をすぐに検索・確認できるようになり、報告書や帳票の作成もスムーズになります。ルーティンワークの自動化が進むことで、人事担当者はより戦略的な業務に集中できるようになります。

入力ミス・転記ミスの防止

従業員情報の一括入力やデータ連携が可能になることで、手作業による入力ミスや転記ミスを防げます。特に給与計算や社会保険の手続きなどは正確さが求められるため、自動計算やチェック機能を備えたシステムの導入は大きな効果を発揮します。

一度登録したデータをもとに各種帳票や申請書が自動作成されるため、業務の正確性が向上し、担当者の心理的負担も軽減されます。

法令違反・コンプライアンス違反のリスク軽減

多くの人事労務システムは、労働関連法令の改正に迅速に対応できるよう設計されており、法定帳票の自動更新や提出期限の通知機能を備えています。うっかりした提出漏れや記載ミスによる法令違反を防止できます。勤怠管理や残業時間の自動集計により、労働基準法違反のリスクも軽減されます。

透明性の高い人事評価・報酬システムを構築できる

人事評価や報酬管理のプロセスを可視化・自動化できる機能を備えた製品もあります。評価基準や進捗状況を従業員と共有できる仕組みを構築することで、評価への納得度を高めることが可能になります。属人的な評価から脱却し、組織全体で納得感のある人事制度を整えるための基盤となります。

人事労務システムの費用相場

人事労務システムの費用は、「1名あたり月額○円」という従量課金制が採用されている場合が多いです。

多機能型のクラウドサービスでは、1人あたり月額400〜500円程度が相場の目安とされており、従業員数が増えるほど月額コストも上昇します。また、「最低○名以上の契約が必要」「○名までは無料」といった条件が設けられている場合もあるため、利用人数に応じた最適なプランを見極めることが重要です。ソフトウェア型かSaaS型かによっても価格構成が異なるため、導入前には料金形態を確認しましょう。

なお、月額費用だけでなく、初期設定費用・サポート費・他システムとの連携コストを含めたトータルコストで比較することが、予算計画の失敗を防ぐうえで重要です。最新の料金・プラン内容は各製品の公式サイトでご確認ください。

人事労務システムを導入するときの注意点

人事労務システムの導入には多くの利点がありますが、初期費用・運用コスト・社内教育・セキュリティ対応などの課題にも目を向ける必要があります。事前に十分な準備と検討が不可欠です。

導入コストと運用コストがかかる

人事労務システムを導入する際には、初期費用としてライセンス料・初期設定費用・導入支援サービス費などが発生する場合があります。運用開始後は月額または年額の利用料が継続してかかるため、長期的なコストを見越して予算を組む必要があります。機能が豊富なシステムほどコストも上がる傾向があるため、自社に必要な機能を明確にしたうえでコストパフォーマンスに優れたサービスを選定することが重要です。

セキュリティ対策をしっかりしておく

人事労務システムでは、従業員の個人情報や給与データなど機密性の高い情報を扱うため、セキュリティ対策は必須です。不正アクセスや情報漏えいを防ぐためには、暗号化通信・アクセス権限の設定・操作ログの記録などの機能が備わっているかを確認する必要があります。サーバーの保守体制やバックアップの有無も重要なチェックポイントです。

従業員に人事労務システムの使い方を教える必要がある

新たに人事労務システムを導入した場合、社内の従業員に対して操作方法を周知・教育する必要があります。特にセルフ入力機能や申請ワークフローを利用するシステムでは、使い方を理解してもらわなければ業務が円滑に回りません。マニュアルの整備や導入時の説明会・操作研修などを実施する企業も多く、教育に関する時間的・人的コストも想定しておくことが重要です。

イレギュラーへの対応が難しい

人事労務システムはあらかじめ設計された業務フローや処理パターンに従って動作するため、例外的な対応には柔軟性が乏しいことがあります。特殊な契約形態・急な制度変更・個別対応が必要な従業員への処理など、システム上で想定されていないケースではマニュアル対応が求められることもあります。どの範囲までシステム化できるのかを事前に確認しておくことが大切です。

まとめ|自社に合った人事労務システムを選んで業務を最適化する

人事労務システム選定の判断軸を3点で整理します。

  • タイプで選ぶ:業務全体を一元管理したいなら多機能型、まず一つの課題を解決したいなら特化型、段階的に拡張したいなら機能拡張型
  • 環境で選ぶ:他の業務システム(会計・勤怠等)との連携可否と、既存ツールとのデータ連携コストを確認する
  • コストで選ぶ:月額費用だけでなく、初期設定費用・サポート費・教育コストを含めたトータルコストで比較する

まずは無料トライアルを活用して、実際の操作感と自社業務との相性を確認することをお勧めします。また、人事労務システムの導入と並行して、社内の問い合わせ対応業務の自動化も検討することで、人事担当者がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整えられます。詳しくは以下の資料でご確認ください。

執筆者 浦 将平

AIチャットボットのプロダクトマネージャー。

7年間にわたり、法人向けの顧客管理ツール、データ統合ツール、CMS、チャットボット、電子ブックのマーケティングを担当し、BtoB領域でのプロダクトの成長に携わる。マーケティング戦略の立案から実行までを幅広く手がけ、業務プロセスの仕組み化を得意とする。

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