情シスにチャットボットを導入するメリットとは?導入手順・費用・事例・失敗しないポイントを解説

更新日 最終更新日2026/05/29

更新日 公開日 2025/11/14

情報システム部門(情シス)は、システム運用やセキュリティ対策に加え、日常的な問い合わせ対応まで幅広い業務を担っています。特に、パスワード再設定やシステム操作に関する質問対応は件数が多く、本来取り組むべきシステム改善やDX推進の時間を圧迫しやすい業務です。

また、「特定の担当者しかわからない」「毎回同じ質問が繰り返される」といった属人化も、多くの企業で課題となっています。問い合わせ対応が増えるほど、情シス担当者の負担は増え、業務の生産性低下につながりかねません。

こうした課題を解決する手段として注目されているのがAIチャットボットです。社内FAQやマニュアルを活用して問い合わせ対応を自動化できるため、近年では社内ヘルプデスクやナレッジ共有の仕組みとして導入が進んでいます。

本記事では、情シスにチャットボットを導入するメリットや導入手順、費用感、導入事例、失敗しないポイントまでわかりやすく解説します。

目次

情シス(情報システム部門)とは?

情シスとは「情報システム部門」の略称であり、社内のIT環境を支える重要な部門です。具体的には、システムやネットワークの構築・運用、パソコンやサーバーなどの機器管理、セキュリティ対策、社内ヘルプデスクまで幅広く担当します。

近年では、単なるシステム管理だけではなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や業務効率化、社内ナレッジ活用など、より戦略的な役割を担うケースも増えています。

一方で、業務範囲の拡大に対して人材やリソースが不足している企業も多く、問い合わせ対応や運用業務に追われ、本来注力すべき改善業務まで手が回らないケースも少なくありません。

情シス(情報システム部門)が抱えている課題

情シス部門は、企業活動を支える重要な存在である一方、多くの企業で慢性的な負荷を抱えています。ここでは、代表的な課題を整理します。

慢性的な人手不足と属人化

情シスは少人数体制になりやすく、限られた担当者へ業務が集中しやすい傾向があります。特定の担当者しか対応方法を知らない状態になると、異動や退職によって業務が止まるリスクも高まります。

また、問い合わせ対応が担当者ごとの経験や知識に依存すると、回答品質にもばらつきが生まれます。

問い合わせ対応による業務の中断

パスワード再設定や印刷トラブル、VPN接続、アプリ操作方法など、情シスには日々さまざまな問い合わせが寄せられます。

一件ごとの作業時間は短くても、繰り返し対応が発生すれば、計画的に進めたいシステム改善やDX推進の時間が奪われてしまいます。

「中断対応」が積み重なることで、業務効率や生産性が低下しやすい点も大きな課題です。

社内ナレッジが活用されにくい

社内マニュアルやFAQを整備していても、「情報が見つからない」「どこを見ればよいかわからない」といった状況は少なくありません。

結果として、社員は自己解決できず、情シスへ直接問い合わせるケースが増えてしまいます。

ナレッジが存在していても活用されなければ、問い合わせ削減にはつながりません。

参考:情報システム部門(情シス)の業務効率化を進めるには?DXとの違いや具体的な方法を解説

情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入できる場面

情シスの業務負担を軽減する方法として、AIチャットボットの導入が注目されています。具体的にどのような場面で活用できるのかを見ていきましょう。

社内問い合わせへの対応

パスワード再設定やシステム操作方法など、繰り返し発生する問い合わせは情シス担当者の大きな負担になりやすい業務です。

AIチャットボットを導入すれば、24時間自動で一次対応できるため、同じ質問への対応工数を削減できます。

また、社員側も必要な情報をすぐに確認できるため、自己解決率向上にもつながります。

参考:AIチャットボットで社内外の問い合わせを効率化|IZANAI(イザナイ)

知識やノウハウの共有

システム運用のノウハウは担当者ごとの経験に依存しやすく、属人化が発生しやすい領域です。

チャットボットにFAQやマニュアルを登録しておけば、誰でも同じ品質で情報へアクセスできる環境を構築できます。

新人教育や引き継ぎの効率化にもつながり、ナレッジ共有基盤としても活用できます。

従業員の業務サポート

AIチャットボットは情シス担当者だけでなく、従業員全体の業務効率化にも役立ちます。

たとえば、社内規定や申請方法、ツールの操作方法などを自然な言葉で検索できるため、マニュアルを探し回る時間を削減できます。

必要な情報へすぐにアクセスできる環境を整えることで、組織全体の生産性向上を支援できます。

AIチャットボットと従来型チャットボットの違い

近年は、従来型チャットボットに加えて、生成AIを活用したAIチャットボットの導入が進んでいます。それぞれ特徴が異なるため、自社の課題に合うタイプを選ぶことが重要です。

項目 従来型チャットボット AIチャットボット
回答方式 シナリオ型・ルール型 自然言語理解による回答生成
対応範囲 定型質問中心 曖昧な質問にも対応可能
FAQ更新 シナリオ修正が必要 資料更新中心で対応しやすい
導入負荷 設計工数が大きい 比較的小さく始めやすい
向いている用途 定型業務 社内FAQ・問い合わせ対応

特に社内問い合わせでは、質問内容が毎回完全に一致するとは限りません。

AIチャットボットであれば、曖昧な質問や言い回しの違いにも対応しやすく、自己解決率向上につながりやすい点が大きな特徴です。

情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入するメリット

AIチャットボットは、問い合わせ削減だけでなく、属人化解消やナレッジ活用、DX推進にも役立ちます。ここでは代表的なメリットを解説します。

1.問い合わせ業務の負担を軽減できる

AIチャットボットが一次対応を担うことで、同じ質問への繰り返し対応を減らせます。

これにより、情シス担当者はシステム改善やセキュリティ対策など、本来注力すべき業務へ時間を使いやすくなります。

2.自己解決率を高められる

社員が必要な情報を自分で検索・解決できる環境を整えることで、問い合わせ件数そのものを削減できます。

「まずはチャットボットで確認する」という文化が定着すれば、社内全体の業務効率改善にもつながります。

3.属人化を解消しやすくなる

FAQや対応履歴をAIチャットボットへ蓄積することで、特定担当者に依存しにくい運用が可能になります。

ナレッジを組織全体で共有できるため、引き継ぎや新人教育にも活用しやすくなります。

4.データを蓄積・分析できる

会話履歴を分析すれば、「どの問い合わせが多いのか」「どこでつまずいているのか」を把握できます。

頻出質問をもとにマニュアル改善や研修内容を見直せば、継続的な業務改善につながります。

5.24時間対応できる

AIチャットボットは、夜間や休日でも利用できます。

従業員は必要なタイミングで情報を確認できるため、業務の停滞防止にも役立ちます。

6.リモートワーク環境でも活用しやすい

オフィス外からでも利用できるため、リモートワークや拠点間の問い合わせ対応にも適しています。

全国拠点や多店舗展開している企業でも、情報共有を統一しやすくなります。

7.社内DX推進につながる

問い合わせ対応や情報共有をデジタル化することで、社内業務の効率化を進めやすくなります。

AI活用を小さく始められる点も、情シス部門にとって大きなメリットです。



情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入する流れ

AIチャットボットを効果的に活用するには、導入前の準備や運用体制づくりが重要です。ここでは一般的な導入の流れを解説します。

1.導入目的を明確にする

まずは「何を解決したいのか」を整理しましょう。

たとえば、

  • 問い合わせ件数を減らしたい
  • 属人化を解消したい
  • 社内FAQを活用したい
  • 自己解決率を高めたい

など、目的を明確にすることで必要な機能や運用方針を決めやすくなります。

2.対象業務を決める

最初から全問い合わせへ対応しようとすると、運用負荷が大きくなりやすいです。

まずは「パスワード再設定」「印刷トラブル」など、件数が多い問い合わせから始めると効果を実感しやすくなります。

3.FAQや資料を整理する

既存のFAQ、マニュアル、社内資料などを整理します。

近年のAIチャットボットでは、PDFやWebサイトを読み込ませるだけで利用できるサービスも増えているため、ゼロからシナリオを作る必要がないケースもあります。

4.ツールを比較・選定する

比較時は、以下の観点を確認しましょう。

  • AI精度
  • セキュリティ
  • 既存ツール連携
  • 運用負荷
  • 料金
  • サポート体制

「導入しやすさ」と「運用継続しやすさ」の両方を確認することが重要です。

5.無料トライアルで検証する

実際のFAQや社内資料を使って試験運用することで、回答精度や運用イメージを確認できます。

クラウドサーカスが提供するAIチャットボット「IZANAI Powered by OpenAI(以下、IZANAI OpenAI)」では、2週間の無料トライアルを利用できます。

6.テスト運用・改善を行う

全社展開前に、一部部署で試験導入する方法がおすすめです。

利用ログや質問内容を確認しながらFAQを改善することで、回答精度を高められます。

情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入するまでの期間

導入期間は、FAQ整備状況や連携要件によって変わります。

導入状況 期間の目安 特徴
FAQや資料が整理済み 約1週間~数週間 短期間で運用開始しやすい
一般的な導入 1~3ヶ月 FAQ整備・運用調整を含む
複雑な要件あり 3ヶ月以上 外部連携や個別設計が必要

最近では、PDFやWebサイトを登録するだけで始められるAIチャットボットも増えており、以前より短期間で導入しやすくなっています。

情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入するためにかかる費用

AIチャットボット導入時は、初期費用と月額費用が発生します。

  初期費用 月額費用
AI非搭載型 0〜5万円 1〜5万円
AI搭載型 10〜100万円 10〜100万円

AI型は自然な会話や曖昧な質問対応に強く、社内FAQやヘルプデスク用途と相性が良い傾向があります。

なお、外部ツール連携や多言語対応、有人切り替えなどは追加費用が発生する場合があります。

料金体系や対応範囲はベンダーによって異なるため、最新情報は各サービス公式サイトをご確認ください。

情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入するときのポイント

KPIを設定する

導入効果を把握するため、以下のようなKPIを設定しましょう。

  • 問い合わせ削減率
  • 自己解決率
  • 回答満足度
  • 利用率

数値で改善状況を把握できるようにすることで、継続的な改善につなげやすくなります。

定期的にFAQや回答内容を更新する

社内ルールや業務内容は変化するため、FAQも継続的な更新が必要です。

利用ログを分析すれば、回答不足や離脱しやすいポイントを把握できます。

IZANAI OpenAIのように、資料やWebサイトを登録するだけでAIが回答生成できるサービスを活用すれば、FAQ更新負荷を抑えやすくなります。

チャットボットへ任せる範囲を明確にする

すべての問い合わせをAIだけで完結させる必要はありません。

複雑な問い合わせは有人対応へ切り替える運用を設計することで、利用者満足度を維持しやすくなります。

利用者へ周知する

導入しても使われなければ効果は出ません。

社内ポータルやメール、研修などを通じて利用方法を周知し、「まずはチャットボットへ聞く」文化を作ることが重要です。

情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入した事例

【不動産業】大和財託株式会社|緊急対応を自動化し、管理者負担を軽減

大和財託株式会社では、スマートフォン紛失時の問い合わせ対応が情シス部門へ集中していました。

業務自動化ツールを導入した結果、位置情報確認や端末ロックを自動化し、緊急対応時間を大幅に短縮しています。

参考:【Syncpit 導入事例】大和財託株式会社様 情シス業務自動化の新サービス「Syncpit」をいち早く導入した理由

【小売業】株式会社ダイエー|AIチャットボットで電話対応を削減

株式会社ダイエーでは、システム関連問い合わせが増加し、少人数の情シス部門で対応負荷が高まっていました。

AIチャットボット導入後は、「まずはAIへ聞く」文化が定着し、電話対応件数や残業削減につながっています。

参考:ダイエー、社内問い合わせ用チャットボット「AIさくらさん」導入により業務効率を大幅改善

【マーケティングリサーチ】株式会社マクロミル|AIチャットボットで月100時間削減

株式会社マクロミルでは、情シス・人事・総務への問い合わせ対応負荷が課題となっていました。

AIチャットボット導入後は、FAQを活用した自己解決が進み、月100時間規模の工数削減につながっています。

参考:情シス、人事、総務部門への社内問合せをAIチャットボットが一括対応。株式会社マクロミル

情シス(情報システム部門)にチャットボットを導入するときに役立つツール

情シス業務を効率化するには、自社課題に合うツール選定が重要です。ここでは、AIチャットボット「IZANAI Powered by OpenAI」と電子ブック作成ツール「ActiBook」を紹介します。

IZANAI Powered by OpenAI(イザナイ パワード バイ オープンエーアイ)

IZANAI Powered by OpenAIの管理画面イメージ

IZANAI OpenAIは、PDFやWebサイトURLを登録するだけで利用できるAIチャットボットです。

複雑なシナリオ作成を行わなくても、AIが質問意図を理解し、適切な回答を生成できます。

情シス部門では、以下のような活用が可能です。

  • パスワード再設定の案内
  • システム操作FAQ対応
  • 社内マニュアル検索
  • 社内ナレッジ共有

また、AI OCRやExcel表認識、IPアドレス制限、ログ分析などの機能にも対応しています。

FAQが完全に整理されていない企業でも、小さく始めやすい点が特徴です。

参考:AIチャットボットでFAQを最適化「IZANAI Powered by OpenAI」

ActiBook(アクティブック)

ActiBookのサービスイメージ

ActiBookは、PDFや紙資料を電子ブック化し、社内マニュアルやFAQを共有しやすくするツールです。

検索性向上やアクセス権限設定にも対応しているため、「必要な情報を探しにくい」という課題解決に役立ちます。

チャットボットと組み合わせることで、問い合わせ削減やナレッジ活用をさらに進めやすくなります。

参考:電子ブック作成ツール「ActiBook」

ツールの比較表

項目 IZANAI Powered by OpenAI ActiBook
主な用途 社内問い合わせの自動対応 マニュアル・FAQ共有
特徴
  • PDFやWebサイトを登録可能
  • シナリオ作成不要
  • AIによる自然な回答
  • ログ分析に対応
  • PDFや紙資料を電子化
  • 検索性向上
  • アクセス権限設定可能
  • 最新情報共有を支援
情シスでの活用例
  • FAQ対応
  • ヘルプデスク効率化
  • 社内ナレッジ共有
  • マニュアル管理
  • 社内資料共有
  • FAQ整備

問い合わせ対応を効率化したい場合はIZANAI OpenAI、社内情報共有を改善したい場合はActiBookが有効です。

情シス(情報システム部門)の効率化を進める一歩としてAIチャットボットを

情シス部門では、日々の問い合わせ対応によって、本来進めるべき改善業務やDX推進が後回しになりやすい状況があります。

AIチャットボットを導入すれば、定型問い合わせの自動化だけでなく、ナレッジ共有や自己解決率向上も進めやすくなります。

まずは問い合わせ件数が多い業務から小さく始めることで、導入効果を検証しながら運用を広げていくことが可能です。

また、最近ではPDFやWebサイトを登録するだけで利用できるAIチャットボットも増えており、以前より導入ハードルも下がっています。

情シス部門の負担軽減や社内DX推進を進めたい場合は、まずは無料トライアルや資料請求を活用し、自社に合う運用方法を確認してみると良いでしょう。

執筆者 浦 将平

AIチャットボットのプロダクトマネージャー。

7年間にわたり、法人向けの顧客管理ツール、データ統合ツール、CMS、チャットボット、電子ブックのマーケティングを担当し、BtoB領域でのプロダクトの成長に携わる。マーケティング戦略の立案から実行までを幅広く手がけ、業務プロセスの仕組み化を得意とする。

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